片目少女 

著:裏仕掛けパンダ

片目しかない少女は永遠に広がる砂漠の上で泣いていた
「うっうっうっ・・お・・おと・さ・・ん・・ヒック」
少女の目から落ちる涙は砂にすぐ吸収される、少女の涙は枯れてるが少女の悲しみは枯れない
そんな少女をなぐさえるかのように一匹のトカゲがテクテクと歩み寄ってきた
「どうしたんだい、そんなに泣いて。」
赤色と黒色をしたトカゲが泣き続けている少女に聞いた
「おとう・・さんを・・まっているの・・ヒック」
少女の涙は砂の中に染み込んでいく一方だ
「お父さんが帰ってこないの?どこに行ったの」
トカゲが優しく聞いてみた
「おとうさ・・さんは・・・ヒック・・ここに・・ヒック・・・いるの・・・ヒック」
そういうと片目の少女はずっと前から抱きしめていた黒い骨をトカゲに見せた
「なんだいその黒い、人間の頭蓋骨みたいなのは?」
トカゲが少女に近寄りながら質問した
「これが・・おとう・・さんの・・・ヒック・・ずがいこつ・・なの・・ヒック・・おとうさん・・はいま・・ヒック・・こわれているの・・ううぇんん」
少女はますます激しく泣き始めた
「じゃあお父さんは待っていても帰ってこないよ」
トカゲは泣き叫ぶ少女に気遣いながら言った
「おとう・・さんは・・くるの・・ヒック・・わたしの・・ところに・・おとうさ・・んは・・ヒック・・なおるの」
少女はお父さんの黒い頭蓋骨を抱きしめながら目をつぶりながら怒鳴った
「お父さんは帰ってこないよ、死んだものは直らないんだよ」
トカゲは少女に説得した
「お父さんは直るの」
急に少女は泣き止んだ、そしてキリキリと笑いながら話し始めた
「お父さんあ直るの、私もお父さんもロボットだもん、今お父さん頭の中のチップが壊れているだけで、すぐに直るんだよ、自己再生機能がついているの私たちロボットにはね」
少女はそう言い終わると自分の体についているポケットから青色をした目玉を取り出し、自分の目に器用に埋め込んだ。そして少女は両目の少女ロボットになった
「この地球には198年前から水が無くなって人間はすぐに死んだわ、そしてこの地球に残ったのはロボットと小動物だけなの。しかも人間はトカゲなんかと喋れないじゃない。話ができるのは私たちロボットだけよ」
そう言うと少女が抱きしえていた黒い頭蓋骨の形をしたロボットの頭の目が光りだして機械音を発した
「自己際再生完了、修復率100%。」
「おはっはっはっははは、ロボットはまだまだ死なないわ」
少女の目から落ちていた涙は赤色で灯油の匂いがした

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