にんじん

著:ミニマム

今日の夕飯はカレーにしようと思ってにんじんを切ろうとしたら
にんじんの先っぽにスイッチがついていた。
不思議に思いながらも面白半分で押してみたら
にんじんからジェットが吹き出て宙に浮かび上がった。
「これが本物のジェットにんじんか!!」と思って眺めていたら
にんじんはさらにジェットを吹き出してオレンジ色のまばゆい光を放ちながら
窓ガラスを突き破ってすごい速さで飛んでいってしまった。
僕は何が起こったのか良く分からなくて呆然と立ちつくしていた。
ふと気が付いた時にはもうにんじんは遙か彼方の真っ赤に染まる夕日の空に消えていってしまっていた。
あっけなかった。

仕方がないので今晩はにんじんの入っていないカレーで我慢しよう。

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