ヤバイ!

著:北本和久

・・・・・・ウー・・・何の音だ?・・・
・・・・・・あ、目覚ましのか・・・え?今何時だ?・・・・・・って、ウワ!ヤバイ!会社、カンペキに遅刻だ!あ〜どうしよう。あ〜昨日は飲み過ぎたかな〜。しかも今日の朝の会議で、俺、プレゼンがあるんだよな〜。今日に限ってお偉いさん達も出席するってのに、寝坊して遅刻なんて課長からどれだけどやされるか・・・・・・とにかく、何とかしないと。でも、もうすぐ会議が始まる時間だ。どんな手を使っても間に合いそうにないし・・・・・・ウー・・・そうだ、取り合えず会社に電話だ。えーと、でも、何て言おうかな。下手な事は言えないぞ。よーく考えないと・・・・・・

プルルルル・・・プルルルル・・・カチャ
「はい、こちら海山商事企画1課でございます」
「いいか、よく聞け。お前達の会社に爆弾を仕掛けた。あと5分で爆発する。死にたくなかったら全員非難しろ。嘘じゃない。すぐに逃げるんだ」
「・・・・・・吉川さんですよね?」
「何?おい、早く・・・」
「今度はずいぶん手が込んでますね。でもこんな事してもダメですよ。大事な会議なのに吉川さんがいないって、課長カンカンに怒ってますから。早く出社してくださいね。間に合わないと思いますけれど」
「信じられないかもしれないが、嘘じゃないんだ。早く逃げろ!」
「ワタシ忙しいんで、もう切りますね」
ガチャン
全く、あの遅刻常習犯ときたら。どうせならもっと上手い嘘つきなさいよね。

プルルルル・・・プルルルル・・・カチャ
「もしもーし、企画1課の吉川ですけど、寝坊してしまって。もう間に合わないかもしれませんけど、すぐに出社しますので。本当に申し訳ありません」
・・・っと
あれ、朝なのに何で電話が留守電になってるんだ?番号は間違ってないよな。会社に誰もいないのか?

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